2025/02/13 08:09

この冬は風の日が多い。

向こうの山からうらの山に風が渡ってくる。
遠くの風の音が、少しずつ大きくなって目の前の木をゆさゆさ揺らす。
常緑樹のたくさんの葉っぱが擦れ合う。

遠くでゴーっと山鳴りのような風の音がしている。
その音はたくさんが合わさってひくく厚みのある
空の底から出てくるようなノイズ。
近くの風が鳴らす音は葉っぱが鳴っていることがわかる輪郭のある音。
その遠近感の具合が絶えず変化して
風の音楽が続いていく。

夜中にふと目覚めて
眠りにつけない時や、
朝の布団の中で風の音楽を聞く。

風はどこかからきてどこへでもいく。
ずっと風みたいになりたかった。
風がふくと「自由」のことを考える。
「冒険」のことも考える。

今日も風の音楽を聴きながら目覚めた。
鳥たちも鹿も静かにしてる。
彼らも山でこの音楽を聞いているんだろうか。